日本では、大昔から風呂敷にさまざまな物を入れる文化が
ありますが、バッグを使う機会が多くなった現代では
日常使いしている人は減りました。
しかし、武道の荷物運搬や贈答品を包むなど、今日でも
風呂敷が活躍する場面は多いです。
特に、ビジネスの現場では、バッグよりも重宝されている
ケースがあります。
風呂敷には色々な種類やサイズがあり、用途によって適した
種類を選べるので便利です。
形はよく正方形だと間違えられますが実は長方形で、横の
長さに対して縦は1cmから2cm長めにできています。
反物を無駄のないように裁断するためや、長方形だと
斜めに負荷がかかるため布が伸縮して使用感が良いなど
の理由です。
書類などを運ぶ際は、A4サイズの一般的な紙類であれば
二巾か二尺巾ほどのサイズで包むのが適しています。
正方形の商品も中には売られていますが、50cmのサイズで
お弁当用などと表示されている場合が多く、ビジネスなどで
使うにはあまり適しません。
検察官は便利に風呂敷を使いこなしている
検察官が風呂敷を使って書類を運搬するようになったのは
60年以上前に遡り、現在でもその姿は法曹界では良く見られます。
官給品として提供されるからと言う理由だけでなく、単純に
バッグよりも使い勝手が良いからです。
検察官が取り扱う書類の量は膨大になるため、通常はかなり
薄い紙が使われます。
よれたり切れたりしやすい紙は、バッグに入れるよりも
傷つけずに運べるのです。
また、持ち運びする書類の量はその都度異なることが多く、
風呂敷であれば量に合わせてコントロールしながら包めます。
加えて検察官は、事件の証拠品を取り扱う機会も多いです。
多種多様な物品は、時には長いものや重いものもあり、
バッグに入れての運搬は不可能でしょう。
風呂敷であれば、包丁や野球のバットなど長さがある物
でも完全に包み込んで運べ、大切な証拠品を人に見せずに
移動させられます。
使用後はたたんでコンパクトになり、会議後に資料が
なくなった時も無駄な荷物を持つ必要がありません。